さて、僕のアルファロメオ4Cが納車されてからもう丸1年が経過しました。光陰矢の如し、歳月人を待たずとはまさにこのこと。
納車時の走行距離は9,300km、今の走行距離が14,300kmなのでこの1年で5,000kmほど走行していることになります。
わずか5,000kmですが、先日も700Kmの日帰り広島ツーリングを行いましたのでこれを機に僕なりのレビューをしてみようと思います。
車のレビューというものは生まれてこの方したことがありませんが、何事にも初めてはつきもの(僕なりに書いてみたら良いのだ)。
尚、僕の運転歴上ちゃんと(ある程度の距離)を乗ったことがあるのは実家のボルボ V40と営業車のプリウスだけなので比較対象はそのあたりにあることを念頭に置いておいて下さい。
外装はド派手 but 内装は質素
まずは外装から
見てわかる通りド派手な外見を持っており街中での注目度は抜群(別に見られたくて買ったわけではないけど)。
フェラーリ458イタリア、488をそのまま小さくした様なバランスのためかよくフェラーリに間違われてしまいます。
そういう人にアルファロメオなんですと説明し、少しバツの悪そうな顔をさせるのが最近はマイブーム(いや、アカンやろ)。
![アルファロメオ 4C](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_20200804_215801-800x600.jpg)
この外装は軽量化を目的とし、SMCというガラス繊維強化樹脂で出来ていますが、ぶつけてしまうと割れてしまうため板金ができないという扱いにくさも併せ持っています。
また、下地が金属でないせいか、塗装が非常に弱く飛び石傷や擦り傷がかなり付きやすいというのも神経を使うところであります。
もう一つ気になることは、このような外見をしているのにあまり空力性能が良くないだろうということ。
勿論、ボディ下面はフルフラットですし、フロントバンパー下部のエアストレーキ、リアディフューザーも装備しています。サイドミラーもエアダクトに空気がスムーズに流入する様、ボディから離して設置されています(おかげで風切音はかなり少ない)。
![アルファロメオ 4C](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0415-800x600.jpg)
ですが、ホイールアーチ内の圧力を抜いたり、ホイール付近の空気を整流するパーツがどう探しても見つからず。
加え、リアフェンダーとドアの間、リアナンバープレート辺りに汚れがかなり溜まるので、この部分の空気の剥離が上手く出来ていないと考えても良いでしょう。
![アルファロメオ 4C](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/08/IMG_0600-800x600.jpg)
後は、ボディのチリがピタっと合っていませんが、これはイタリア車のお約束でしょう(日本に入ってくる個体は輸入時に全て手直しされているらしいが)。
内装(車内空間)は超質素
外装がド派手なのに対し、内装は超質素。下手すると、いや下手しなくても軽自動車よりも質素だと思います。
新車乗り出し価格が約1,000万円というと、ベンツのEクラスと同等ですから4Cの内装を見て、文句を言いたくなる人もいるかと思いますが、それはナンセンスの極み。
4Cは「速く走ること」にコストを全て掛けた車ですので、内装は最低限の機能で抑えるべきなのです。じゃないとカーボンモノコックなんて採用できるはずもありません。
「速く走ること」に必要なものを集めたら高額になった車と高級車は全く違うとでも申しておきましょうか。
![アルファロメオ 4C](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0361-800x600.jpg)
という風に僕はこの車の内装のあり方を理解しているため、「質素」という言葉を使っていますがやはり不満はあります。
それは、エアコンとライトがマニュアル操作だということ。2つともオートにしたら重量とコストがそんなに増えてしまうものなのでしょうか?
運転に集中するためにも、ハンドルから手を離さないためにもオートにした方が良かっただろうにと思わざるを得ません。
因みに、皆さんご存知の通り4Cはエンジンを後ろに積んでおりボンネット内にスペースがあるため、足をフルに伸ばすことは出来ます。これは他の車に勝っている部分かもしれません。
Moves like a jaguar
外装、内装と来たらお次は動力性能のお話。諸元表は省略。
因みに、見出しはMaroon5のMoves like Jaggerという曲と4Cの印象(jaguar:豹)を掛けています(発音が違うし、わざわざ説明するのは野暮だ)。
では、話を戻しなぜ豹なのか?ご存知の通り豹はネコ科の動物で、しなやかで素早い身のこなしが得意な一方、獲物を長時間追いかけるのは苦手。
ここに、4Cとの類似性を僕は感じた訳です。というのも、4Cも峠道をひらりひらりとすっ飛ばすのは得意ですが、長距離ツーリングは苦手だから。
NVHがキモ
上の得意、苦手という話をすすめるにはNVHという概念が必須。NVHはそれぞれ、Noise、Vibration、Harshnessの頭文字。走行音、振動や突き上げ等の衝撃を総称して表す言葉ですね。念の為。
4CのNVHがどの程度のモノか理解してもらうために、走行中に聞こえてくるものを書き出してみると以下の通り。
発生源 | どんな音か |
---|---|
ターボ | シューンといった風を切る音 |
ブローオフバルブ | プシューといった圧力が抜ける音 |
燃料ポンプ | カタカタ、コトコトという音 |
ブレーキディスク | シュゴー、キーといった音 |
エンジンのメカノイズ | ガチャガチャという音 |
マフラーサウンド | 低音が強調された圧力がある音 |
ブリッピング | シフトダウン時にエンジン回転数を高めるときの音 |
エアーコンプレッサー | カタカタという音 |
タイヤ | 巻き上げた小石がボディに当たる音 |
と、この様にNoiseだけ書き出しましたが、同時に音の発生に伴うVibration、Harshnessも否が応でも感じることとなります。
燃料ポンプやエアーコンプレッサーの音なんて普通の車は聞こえないと思いますが、4Cでは音だけでなく振動も伝えてきます。
つまり、上に述べた様な通常の車では感じ得ない音(V,Hも)を常に感じながら運転をしているため、必然的に神経が張り詰めることに。
そのため、車の隅々まで自分と一体化したかの様に錯覚してしまうのですが、それが小型軽量なボディと合わさると峠道のようなワインディングでは唯一無二の強み(=楽しい)となるわけです。
逆に、神経が張り詰めた状態を維持するのは、誰しも長時間は続けられません。僕の場合だと、1-2時間も運転し集中が少しでも切れると一種の快感でさえあったNVHが今度は疲労の源になってしまいます。ですので、4Cにはロングツーリングは向かないと結論づけています。
![アルファロメオ 4C](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/08/line_77409735985582-800x600.jpg)
まとめ
今回、自動車評論家もすなるレビューといふものを徒然と書き連ねてみたわけですが、やはり中々難しいなあと。今後も乗っていく中で感じたこと、理解したことは追って書き足していこうと思っています(これがブログの良いところ)。
そのためには、常日頃から五感を働かせアンテナを張っておく必要がありますね。
あ、最後にこの車を買おうとして読んでくれた方へ一言。ロングツーリングは苦手と結論づけましたが、デートカーとしても勿論不向きですのでそこは誤解なさらぬ様。
逆に、4Cに乗ってニコニコしてくれる女の子は相当アナタのことが好きなのか、相当な車好きかどちらかなので、何れにせよ大事に付き合いましょう。