皆さんはハイブリッドカー(HV)や電気自動車(EV)というとどんなイメージを持っているでしょうか?
そんなに車好きでない方は「環境に優しい」「燃費が良い」というイメージをお持ちでしょうか。車好きの方は「出だしからトルクがある」といったことを思い浮かべるでしょうか。
今回はそんなハイブリッドカーや電気自動車について、実は環境に悪いという考えがあることをご紹介しましょう。
![フェラーリ SF90ストラダーレ](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/04/img_a250e267743d9403783acdf99c290fa1101922.jpg)
VIA:WebCG
まずは、こうして考えてみよう
では、HV・EVが環境に与える負荷についてご説明しましょう。僕が話したいのは「走行中」の環境負荷ではなくて、「エネルギー源が採取されてから」、「実際に使われるまで」のトータルの環境負荷についてです。
まず、well-to-wheel(井戸から車輪まで)という考え方をご存知でしょうか。何を意味するかと言うと、上記の「エネルギーが採取されてから動力になるまで」の環境負荷を表した考え方です。一般的にはCo2排出量/kmで表します。
ガソリンの場合ですと、油田→タンカー→製錬所→ガソリンスタンド→自動車と移動・加工される際のエネルギーも含めて計算します。
電気の場合、日本で一般的な火力発電で考えましょうか。そうすると、油田→タンカー→製錬所→発電所→各家庭となります。
こうして考えた場合に、上記のガソリン車のCo2排出量/kmを100とすると、ハイブリッドで70、電気自動車で35位になると言われています。この数値だけをみるとたしかにガソリン車は環境に悪いですね。
![4C アルファロメオ](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/03/IMG_0214-scaled-e1585986270598.jpg)
待てよ、生産・廃棄時の環境負荷は?
僕が考えなければならないとしているのは、ライフサイクルアセスメントという考え方です。
これは上記のwell-to-wheelという考え方に車の生産・破棄時の環境負荷を足したものです。
じつは、この考え方を用いるとガソリン車の環境負荷を100とすると、EVで同程度、HVでは100以上ではないかと言われています。
なんでやねんという声が聞こえてきそうです、理由を簡単に説明しましょう。一番大きな原因は、バッテリーとモーターです。
バッテリーとモーターにはレアメタルや有害金属が大量に使われているため、環境負荷が非常に高くなっています。
そして、HV車にはガソリン車と同じ位の大きさのエンジン等の部品に加え、モーターとバッテリーが搭載されていますよね?
普通のガソリン車以上に環境負荷の高い部品が多いため、生産・破棄時に大きな環境負荷が発生してしまうというわけです。
![ポルシェ タイカン](https://road-to-ferrari.com/wp-content/uploads/2020/04/1_f34_hero.jpg)
ポルシェのタイカン、この見た目でEV
ホンダが対応を始めていた!!
本題は終了していますが、ホンダが(本題と掛けた訳ではない)この問題を少しでも解決しようと欧州で取り組んでいる内容を紹介しましょう。
ホンダはフランスの企業SNAM (Société Nouvelle d’Affinage des Métaux) と提携し、2013年よりリサイクル事業を拡大しています。
対象となるバッテリーは、HV・EV用のリチウムイオン電池とニッケル水素電池の内、自動車用としてはもう使えないと判断されたものです。
ホンダのディーラーに集められてからSNAMの工場に運び込まれ、電池として使えるものは工場等で使用されます。
電池として使用出来ないものは湿式精錬され、コバルトや銅、リチウムにリサイクルされます。
このホンダの取り組みは、生産時の環境負荷は減らせないかも知れませんが、廃棄時の無駄をなくすことで環境負荷低減に貢献していると言えますね。
企業はこういった取り組み(SDGs、ESG)に取り組むべき
僕はホンダのこういった取り組みを非常に評価していて、こういう企業が増えたら良いなあと漠然と思っています。
実はこういった取り組みは単に僕みたいな車好きが喜ぶだけではなくて、投資家の判断材料にもなってきています。
恐らく、ブガッティの植林活動であったり、マクラーレンがガソリンに代わる燃料を研究しているのも投資家の目を意識してのことだと思います。
で、SDGsとかESGって何やねんという方も多いでしょうから簡単に説明しましょう。
世界的に様々な問題(環境や飢餓問題等)が発生する中、そういった問題から目を背けないで解決していこうとする考え方が出てきました。この考えかたを総称してSDGsやESGという言葉が出来ています。
SDGsはSocial Development Goalsの頭文字で、ESGがEnvironment、Social、Governanceの頭文字となっています。以下リンク先が勉強になると思います。